みなさん。夏休みにはたくさんの方がおいでくださりありがとうございました。

特別展「からくりランドの大冒険!」観覧者3万9千人を達成しました!

「夏だ!おもしろ実験まつり」「超伝導で人体浮上体験」など、夏休みに行われたイベントも盛況のうちに終えることができました。

これもみなさんのおかげです。ありがとうございました!

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さて、今年のお盆ウィークに行われた「超伝導で人体浮上体験」ご覧になりましたか?

すごく不思議な現象ですよね。

まずはどんな体験をしたのか、動画でご紹介したいと思います。

下の下線部分をクリックすると動画が見られます。

■「超伝導で人体浮上体験」の動画(←こちらをクリック)

なんでこんなことになっているのでしょうか?

本当に浮いているのでしょうか?

ではではそれを自由研究風にまとめてみました。

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「超伝導の秘密を探る」カハクン

1.はじめに(研究を始めた理由)

僕は夏休みに家族で科博に行きました。どうしてかというと、「超伝導で人体浮上体験」を体験してみたかったからです。

まずは、円盤の上にそっと乗り、静かに両手を横に伸ばして立ちました。次に、学芸員さんにゆっくりと腕を押して体を回してもらいました。乗った瞬間にはフワッと浮いていると感じました。僕の乗った円盤が回り始めると、この世にいながらこの世でないような、とても不思議な気持ちになりました。

なので、なぜこんなことが起こるのか知りたくなり、このテーマにしました。

2.研究の仮説(結果の予想)

(1)強力な磁石(円盤)が人体を浮かせている。

(2)磁石と金属が離れている(浮いている)ので、ずっと回っている。

3.研究の方法(実験、検証の方法)

(1)HPで調べてみる。

(2)HPで調べたことを自分で実験をして確かめる。

4.研究の経過(実験の実際)

(1)国際超電導産業技術研究センターのHPで調べてみたら、「超伝導」とは

簡単に言うと
電気抵抗がゼロである
マイスナー効果が観測される(←くわしくはこちらをクリック)
という2つの現象が観測されることだそうです。超電導状態になるためにはマイナス200℃近くまで冷やさないといけないそうなのですが、超電導状態になる温度のことを、臨界温度Tc (Critical Temperature)と呼ぶそうです。

「超伝導で人体浮上体験」では、特にマイスナー効果が関係しそうなので、国際超電導産業技術研究センターのHPでそれに関する動画で確かめました。

「磁気浮上実験」(←動画はこちらをクリック)内容は、次の写真の通りです。

(2) HPで調べてみたことを自分で実験してみようと思いましたが、強力磁石と超電導体と液体窒素を用意することは無理なので、愛媛県総合科学博物館のサイエンスショーを見せてもらって、そこでスタッフの方にお話をうかがうことにしました。

写真1▼サイエンスショーの会場です。たくさんの親子が集まっていました。

写真2▼最初に超電導体の電気抵抗ゼロの実験をした後、写真にあるように、超電導体の反磁性の実験をしました。

下に超電導体があり、上にある青赤の棒が磁石でやや右側に押しやられているのがわかります。これはマイスナー効果によって、磁力線が固定され変化を拒むので、磁石の磁力線を弾いているからだそうです。

写真3▼いよいよ磁石の浮上実験です。新しい金属(常伝導状態)を器に入れ、金属と距離を置いて(モノを間にはさみます)強力な磁石を置きます。そして、液体窒素を入れて金属の温度を下げます。超伝導状態になったら、金属と磁石の間にはさんだモノを取り外します。

写真4▼モノをのけても浮いた状態の磁石を見て、会場では、「おお〜」という声が上がりました。

写真5▼このように、超電導状態になる前に磁石を固定しておくと、超伝導状態になった瞬間に磁力線が超伝導体を避けつつ囲み込み、回転はできても上下左右に動かないように固定されるのだそうです。(マイスナー効果・ピン止め効果)

写真6▼最後に、磁石テープを机にはりつけ、超電導体になった金属を滑らせていく、「超伝導コースター」の実験をしました。なかなか半分以上進みませんでしたが、超伝導コースターが長い距離を走ると「わぁ~」っと歓声が上がりました。

スタッフの方にお話を聞くと、超伝導の難しい仕組みをやさしく教えてくれました。「前半は地味な実験が続くので、いかにあきさせないようにするか、興味をつないでくれるように持っていくかが大変です。」「後半の磁石の浮上実験や超伝導コースターの実験でみなさんが喜んでくれるととても嬉しいです。」とサイエンスショーの苦労も教えてくれました。

5.おわりに(研究のまとめ、考察、成果と課題)

最初に立てた仮説は、

(1)強力な磁石(円盤)が人体を浮かせている。

(2)磁石と金属が離れている(浮いている)ので、ずっと回っている。

でしたが、だいたいあっていることがわかりました。

HPを調べたり、サイエンスショーを見たり、スタッフの方のお話を聞いていると、マイスナー効果の性質を人体浮上実験にうまく利用していると感じました。

超電導体の上に磁石を置いただけでは、反磁性(これもマイスナー効果だそうです)のために、固定できずに落ちてしまいます。

超電導体になる前(常伝導体)の時にモノを挟むなどして磁石を固定し、その後、超電導体にすることによって、磁石の位置が固定されることがわかりました。

自分で実験をすることができなかったので、自分で証明したことにはなりませんでしたが、人体浮上実験の謎が解けてとてもよかったです。

総合科学博物館のスタッフのみなさんご協力ありがとうございました。

6.参考にしたホームページ

・国際超電導産業技術研究センター、愛媛県総合科学博物館

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小中学生のみなさん。自由研究はもう学校に提出しましたか?

みなさんの出した作品は、校内審査を経て、総合教育センターに提出されます。

選ばれた作品は、東中南予の県内3カ所で展示されます。

当館でも11月下旬に展示される予定です。

来年の研究に参考にするためにも、ぜひ、作品の実物を見に来てみてください。

それから、「超超ビックリ!超伝導」のサイエンスショーも10月6日までの土日祝に行っております。

みなさまのご来館をお待ちしております。(企画:伊藤)