[友の会科学クラブ通信6月号へもどる] |
青くすみきった大空に凧をあげる・・。これは一年中、いつでもどこでも、誰でもが楽しめるすばらしい遊びであり、スポーツです。本日はあまり知られていない立体凧の原理と作り方をご紹介します。 |
1. 翼面荷重 軽い凧は弱い風でもよく揚がります。凧の風を受ける部分から翼面荷重を求めると、凧をあげるに必要な風力を求めることができます。
翼面積とは凧を垂直に投影した時の表面・裏面・側面の翼面和です。 計算式より、今回紹介する鳥型凧はわずかな風でよく揚がることがわかります。
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翼面荷重と必要風力の一覧表
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2. 揚力と抗力 凧の翼面に風があたると空気の流れは図のように凧の上と下で密度に違いができます。密度の高い下面は凧を上方に揚げようとしますが、凧を下に押し流す力=抗力も働きます。 この二つの力の合成された力が糸を引く力となって感じられるのです。同じ凧でも糸目を変えると揚力と抗力の割合(揚抗比)が変わります。糸目を上に取ると有害な抗力が少なくなり凧は上方によく揚がり、糸目を下にとると抗力が増加し糸を引く力が強くなります。 |
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3. 左右の安定 立体凧には尾っぽがありません。それは凧の翼が飛行機の翼と同じ役割をしていつも凧を風に対して真っ直ぐに保とうとする性質があるからです。立体凧の上反角はほとんどが90度です。 |
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4. 揚がらない凧 立体凧の翼面は、原則として、互いに対称に設計します。吹流しのように先つぼみにすると、マイナスの揚力がブレーキとして働き、まったく揚がらなくなります。 |