研究ノート
「加茂川河口の生きものたち」

1:鳥類調査
 鳥類の調査は、1998年3月〜1999年4月にかけて、毎月、上旬、中旬、下旬の3回、干潟時に行いました。
 調査期間中に、観察されたのは、カイツブリ目3種、ペリカン目1種、コウノトリ目9種、カモ目18種、タカ目5種、チドリ目32種、ハト目1種、フクロウ目1種、ブッポウソウ目1種、スズメ目18種の89種類でした。また、シロチドリ、コチドリ、コアジサシの3種類については繁殖が確認されました。冬期には、世界的にも数の少ないクロツラヘラサギやズグロカモメも渡来しました。
 種構成を月ごとに比較すると、4月及び10月から3月にかけては、カモ目とチドリ目が占める割合が高く、5月から9月にかけてはコウノトリ目とチドリ目が大きな割合を占めていました。
 調査期間中に、最も多くの個体が観察されたのは、1998年12月8日の11,363羽で、最も少なかったのは1998年6月16日の147羽でした。また、1回の調査で1,000羽以上の個体が観察された種は、マガモ、ヒドリガモ、ユリカモメ、セグロカモメ、ウミネコの5種でした。秋期から春期にかけてシギ・チドリ類、カモ類、カモメ類の渡来により総個体数が大きく増加しました。
種類数と総個体数の変化
種類数と総個体数の変化


ズグロカモメ  1年間の調査でしたが、加茂川に生息する鳥類の傾向を明らかにすることができました。全国的に干潟の減少が進む中で、加茂川河口域はシギ・チドリ類の中継地や、カモ、カモメ類の越冬地として重要な存在であることが分かりました。
(写真/ズグロカモメ)

[1]鳥類調査  [2]底棲動物調査  [3]植物調査


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