学芸員の仕事場

第3回 Making of プラネタリウム番組

 みなさま、いつもプラネタリウムにお越しいただきありがとうございます。博物館では年間4本のオリジナル番組を制作しています。みなさまに満足していただけるよう、毎回全力で制作していますが、さて、いつもご覧頂いているプラネタリウム番組、一体どんなふうに作られているのか、今回はその舞台裏をちょっとご紹介しようと思います。

プラネタリウム番組のつくり方
プラネタリウム番組のつくり方
絵コンテ
プラネタリウム番組のつくり方
シナリオと番組で使用するイラスト案
プラネタリウム番組のつくり方
2001年秋番組の録音風景:マスター役の渡部猛さんと女性役の三石琴乃さん
プラネタリウム番組のつくり方
コーヒーを煎れる音を録音中。「コポコポコポ・・・」
プラネタリウム番組のつくり方
音の編集作業をしているところ
プラネタリウム番組のつくり方
番組のプログラムを制作中
プラネタリウム番組のつくり方
スライドの中で位置をずらしています。とっても細かい作業・・・
1:番組投影4ヶ月前
まずはじめに、どんなテーマでどんな内容の番組にするのか、いろいろ悩んで資料を集めて、学芸員が企画書を作ります。

2:3ヶ月前
番組を制作する会社のディレクターさんと打ち合わせをします。ここでは、どういうイメージの番組にするのか等の番組の大枠を念入りに決めます。特別な天体写真や解説図が必要なときは、この場でお願いしておきます。

3:3〜2ヶ月前
ディレクターはシナリオライターに指示を出して、絵コンテを作成します。絵コンテとは、どこでどのようなスライドがどこに登場するかを大まかに絵で説明したものです。学芸員はこれをチェックして、修正します。

4:絵コンテが出来上がると、今度はシナリオを作成します。学芸員は内容やセリフを細かくチェックし、何度も修正します。第3稿くらいでようやく仕上がり、最終的には録音稿が出来上がります。
 シナリオ作成と同時に、イラストレーターが星座神話のイラストやキャラクター、解説図を作成します。

5:1ヶ月前
番組で使う音を録音します。
[1]はじめに、声優さんの声を録音します。音響担当のディレクター・番組制作のディレクター・学芸員が、専門用語や言葉のアクセントを一つ一つチェックしながら録音していきます。

[2]次に、BGMと効果音を選曲します。それぞれのシーンに合わせて時間をかけて曲を選んでいきます。コーヒーを煎れる音や、飲む音をスタジオで録音することもあります。

[3] 最後に、声優の声・BGM・効果音などの全ての音をつなげて編集する作業をします。これでようやく番組の音が完成しました。

6:投影直前まで、番組で使用する写真や説明文字のスライドなどを作成、チェックします。

7:投影直前
実際に博物館のプラネタリウムで、番組入れ替えの作業が始まります。この間だけは残念ながら、通常の投影はお休みになっています。
[1]博物館の番組はコンピューター制御で投影しているので、まず番組プログラムをコンピューターに入力します。このプログラムにはどこでどんなスライドが何秒点灯するかという細かい命令でできています。
[2] 投影するスライドを投影機にセットします。何枚ものスライドが一度に出たり、重なって出たりするので、一つ一つのスライドの位置をチェックしなければなりません。スライドの位置を微妙にずらすことで調整する場合もあります。
[3]何度もテスト投影をしてみて、細かい部分を修正していきます。

8:完成!みなさんにお披露目です。今回の番組の出来栄えはどうかな?!


 こうやって番組はたくさんの人の手によって作られています。これからも夜、星が見たくなるような、そして宇宙を感じられるようなプラネタリウムならではの素敵な番組を作っていきますので、どうぞお楽しみに。また、ぜひプラネタリウムへお越しくださいね。

(自然研究科 学芸員 鈴木麻乃)




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