●資料収集 |
博物館では、県内に生息する生物の標本を収集していますが、新たにスナメリとオサガメの標本を入手しました。 ●スナメリ スナメリは東アジアの沿岸域に広く生息する体長1.5mほどの小型のクジラです。6月9日に伊予市森の漁港に漂着しているのが発見されました。体長約1.2mで、死後やや時間がたっていました。愛媛大学沿岸環境研究センターと共同で回収し、現在は冷凍中ですが骨格標本として保存する予定です。 |
●オサガメ オサガメは大平洋からインド洋に生息する海ガメです。6月10日に関前村沖でサワラ流し網に絡まっているのが発見されました。外洋にすむオサガメが瀬戸内海で見つかることは非常に珍しいことです。6月23日に愛媛大学沿岸環境研究センター、独立行政法人遠洋水産研究所と合同で解剖を行い、汚染物質分析のためのサンプル採取の他、胃内容物の確認などを行いました。甲羅の長さは約1.3m、体重は245kgの雄でした。 |
(企画普及係 山本 貴仁) |
▲このページのトップへ |
●収蔵品紹介 |
でっかい網だけど小さな魚をとる網 すくい網 |
ずいぶんと大きな網ですね。一体何をとる網なのでしょうか。昆虫、鳥・・・? いえいえこれは魚をとるための網なのです。「こんなに大きい網だから、とても大きな魚をとる網だろう」と、考える人もいるかもしれません。実は、小さな魚をとるための網なのです。 この網は、すくい網漁と呼ばれる漁法で使われています。愛媛県ではすくい網漁は、南予地方の海岸沿いと来島海峡に浮かぶ小島周辺で行われています。始めに紹介したすくい網は、南予地方の沿岸沿いで春と秋を中心に行われるすくいちりめん漁で使用されています。夕方から夜にかけて、集魚灯で海面を照らすと、集魚灯の下にシラス(イワシやカタクチイワシの稚魚)が集まります。集まったシラスをこの網ですくいあげるのです。 こうしてとったシラスはいたみが少ないので高級なちりめんとして出荷されています。 |
(産業研究科 安永 由浩) |
▲このページのトップへ |