●駅の横顔 |
学芸課 産業研究科 学芸員 藤本 雅之 |
最近では物の輸送手段や日常生活の移動として鉄道の割合は少なくなってきました。かつて、物の輸送も人の移動も鉄道が主な手段だったので、各地の地場産業は原料や製品の輸送に鉄道を多く利用していました。駅は町の表情を示しているともいえますが、現在の愛媛県内のJR駅から4つ選びその地域の地場産業とのかかわりを紹介します。 |
●川之江駅(川之江市) |
愛媛県で最も東の市にある駅です。川之江・伊予三島は製紙業が盛んな地域で、駅の建物には紙のまちの雰囲気は特ありませんが、駅前商店街のアーケードに「紙のまち」と書かれています。駅からは製紙工場の煙突を見ることができます。 旅客ホームは上下線の間にある島式ホームで、2番線まであり、貨物列車の待避線もあります。愛媛県内の国鉄路線(現在のJR)は高松方面から延伸されてきたため、愛媛県内の国鉄駅では最も早く開業しました。大正5年4月1日の開業です。私鉄では伊予鉄道の松山市駅、古町駅、三津駅が明治21年10月28日開業しており県内で最も古い駅です。 |
▲駅舎 |
▲駅前商店街アーケード |
●今治駅(今治市) |
今治はタオルと造船の町です。駅の中にタオルの町をアピールする提灯があります。昭和50年代前半は、今治のタオル製造業者が500以上もありました。 しかし、現在では安い中国産のタオルが多く輸入されるようになり、タオル製造業者の数は200以下になってしまいました。残念ながら駅に造船を示す物はありませんでしたが、港にはスクリューが展示されています。 旅客ホームは3番線まであり、普通列車の始発駅・終着駅にもなっています。 さて、今治駅は大正12年12月12日に開業しました。12が3つ並んでいるので大変おぼえやすいです。松山以北のJR駅では、唯一の高架駅です。 |
▲駅舎 |
▲改札口 |
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●菊間駅(越智郡菊間町) |
菊間町は鎌倉時代に始まり、江戸時代に発展した瓦製造業が盛んな地域です。菊間瓦は昭和55年に愛媛県の伝統的特産品に指定され、現在約40の瓦製造業者があります。 駅舎には菊間瓦が使用されており、地域の産業が色濃く表現されています。上下線をはさむ形でホームがあり、普通列車のみ停車します。 周囲には町役場やかわら館があり、そこにも菊間瓦が使用されています。 |
▲駅舎 |
▲町施設 |
●立間駅(北宇和郡吉田町) |
立間は南予のみかん栽培発祥の地であり、現在も盛んな地域です。乗降客はあまり多くありませんが立派な貨物ホームがあります。このプラットホームから温州みかんが日本全国へ運ばれています。 上下線の間にホームがある島式ホームで、2番線まであり、普通列車のみ停車します。 |
▲駅舎 |
▲貨物プラットホーム |
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