研究ノート

 鶴見鉱物・鉱石コレクション
学芸課自然研究科 学芸員 山根 勝枝

鶴見 祥夫氏  鶴見コレクションは、鶴見祥夫氏が昭和30年代に、国内各地の鉱山から収集した鉱物・鉱石コレクションです。国内のほとんどの鉱山が閉山・休山した今となっては、貴重なコレクションです。

 平成12年に鶴見氏のご家族より当館に寄贈され、整理を行い、この度、愛媛県総合科学博物館資料目録第1号「鶴見鉱物・鉱石コレクション標本目録」を発行しました。

鶴見 祥夫(つるみ よしお)氏の略歴
1924年(大正13年) 出生
1943年(昭和18年) 愛媛師範学校本科卒業
伊予三島市、川之江市(現四国中央市)の小学校で教鞭を執る
1983年(昭和58年) 定年退職
2000年(平成12年) 永眠



収集
 収集当時、鶴見氏と同僚だった方によると、鶴見氏は、地質教材のためにと収集を始め、収集するうちに鉱石に興味を持つよう になり、全国各地の鉱石を収集するに至ったそうです。鶴見氏は、全国の鉱山へ「鉱石を送ってほしい」とのお願いの手紙を出し、着払いで鉱石を送付してもらったとのことです。そして、鉱石が届くと、教材にするための整形やラベル作成の作業を夜遅くまでさ れていたそうです。

コレクション概要
 鶴見コレクションは、鶴見祥夫氏が1959年(昭和34年)から2、3年にかけて、国内各地の鉱山や鉱石を扱う工場から収集したものです。鉱物2102点、鉱石147点、岩石87点、精鉱・精製品93点、化石37点合計2466点から成り、そのほとんどが国 内産です。その内愛媛県内の標本は、黄銅鉱や輝安鉱など74点含まれています。教材用に収集しているため、美しい結晶や色の鉱物に偏らず、さまざまな種類のものを含んでいます。

自然銀
▲自然銀(しぜんぎん)
native silver

北海道札幌市豊平区/ 豊羽鉱山
左右長25mm
霰石
▲霰石(あられいし)
aragonite

島根県大田市久利町松代 松代鉱山
左右長70 mm

▲辰 砂(しんしゃ)
cinnabar

北海道紋別市 龍昇殿鉱山
左右長85mm

▲黄銅鉱(おうどうこう)
chalcopyrite

愛媛県四国中央市金砂町 佐々連鉱山
左右長70m

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