博物館実習報告 |
工藤薫子(愛媛大学理学部生物地球圏科学科4年) 田坂梨奈(茨城大学理学部地球生命環境科学科4年) |
8月29日(火)から9月4日(月)の1週間、学芸員資格取得のために博物館実習を受けました。実習の総まとめとして、実習内容の一部をこのページで紹介します。 |
■動物標本整理 燻蒸して標本についた害虫を殺した後の標本を収蔵庫に運びました。アカウミガメの剥製などの大きいものから鳥の仮剥製などの小さいものまでありました。今回の剥製は専門の方に作ってもらったものです。 |
▲アカウミガメ(本剥製) 体重約60kgから、剥製になって30kgに減りました。 |
▲鳥(仮剥製)焼き鳥みたい? ちなみに、背後にあるのはカメの全身骨格です。 |
■昆虫標本作製 実際に昆虫(チョウとカブトムシ)の標本づくりをしました。標本の形にすることをチョウは展翅、カブトムシは展足といいます。特にチョウは翅を折り畳んだ状態から、鱗粉が取れないように恐る恐る翅を開くため、大変時間がかかりました。 |
▲展翅している田坂さん。 |
▲展翅する前のチョウ |
▲翅を広げると 飛んでいるような標本になります。 |
▲カブトムシ(展足) |
■植物標本整理 植物標本は植物の根や花や実を一緒に残すことで、種類を特定できるように保存します。押し花のようにした標本を「押し葉標本」といい、他には乾燥させた木の実、凍結乾燥(フリーズドライ)させたソテツの実、植物ではないですが、高濃度のアルコールに漬けたキノコがあります。 |
▲シダの押し葉標本 |
▲ソテツの実 (フリーズドライ) ▲キノコ (アルコール漬け) |
■産業写真資料整理 | |
昔の産業(農業や水産業、工業など)について知るために、過去に撮られた写真のネガから産業に関わる物が写っているネガを探しました。今回調べたネガは、昭和30、40年代の個人で撮影されたものをお借りしました。背景に蒸気機関車の走っている姿や当時の漁船、畑などが写っていました。ネガには、当時の広告や紙芝居を路上でしている様子といった、産業ではないけれども時代を感じるものが多くありました。 | ▲田坂さん、ネガのチェック中。 |
■科学実験教室「カラフル石けんをつくろう」 午前中は、道具に不都合がないか実際に作ってみたり、道具の準備をしました。科学実験講座は午後からで、受付や講座の手伝いをしました。子どもの動きや実験の結果など予想通りに行かないこともありましたが、けがなどのアクシデントもなくきちんと終えることができました。 |
◎実習を終えて 実習の中で一番難しかったのは、昆虫の標本づくりです。昆虫標本以外にも当てはまりますが、学芸員には専門知識と経験が必要だと実感しました。実習で学んだ学芸員としての仕事はどれも貴重で、これからの勉強に役立てたいと思います。(工藤) 私は高校の就業体験でも科学博物館に来ましたが,今回はそのとき以上に標本作製や資料整理など裏の仕事が中心でした。いろいろな分野の仕事を少しずつしましたが,この博物館だよりの編集作業が一番大変でした。(田坂) |