国や地方団体の財政事情の悪化とともに、ここ数年、博物館・美術館の存在意義や活動状況に対する世間の見方には極めて厳しいものがあります。年間の来館者数18万人を超え、科学系博物館としては西日本有数の規模を誇る我が愛媛県総合科学博物館も例外ではなく、予算や人員の削減が続く中、このさき、一体どうなっていくのだろうかと心を痛め、職員一同、より一層の努力の必要性を痛感しているところであります。
博物館というと、どうしても「展示部門」に目が注がれがちで、テーマパークと同義語のように考えている方も少なくないところです。しかしながら、博物館は、そのままでは散逸の恐れがある貴重な資料の収集・保存、調査・研究、収集した資料の展示、学校の理科教育の補完、社会人に対する生涯学習など、実に様々な機能を担っているところであります。青少年の理科離れが懸念される中、技術立県として県勢の発展を図っていくためにも、皆様方の更なる御理解と温かい御支援をお願いしたいと存じております。
この「博物館だより」は、当館の活動状況を外部へ情報発信するため発刊しているものであり、是非、御一読を願いたいと存じます。
愛媛県総合科学博物館
館 長 白 方 正 巳 |