ここにも科学

 観察日和
山根勝枝

この季節、気になる田んぼ

 田植えが終わり少し経った頃、畦にしゃがんで田んぼをのぞき込む。カブトエビ、ホウネンエビ、カイエビ、カイミジンコを探すのだ。

 カブトエビは、体長2〜3cm、褐色、一見オタマジャクシに似ているが、腹側にはエビのような脚があり、ごそごそと動く。ホウネンエビは、体長2〜3cm、細長く、透明な緑の体に赤い尻尾で優雅に泳ぐ。背泳ぎで。カイエビは、1cm位、褐色、2枚の薄い殻を持ち、小さなシジミのよう。殻をやや開いて脚を出して泳ぐ。カイミジンコは、1mm位、白っぽい半透明の2枚の殻を持ち、けしの実(あんぱんにのっている粒)のような形。正式には、介形虫(かいけいちゅう)という。カイエビと同じく殻から脚を出して動く。沢山いると小さな粒がうじゃうじゃしている。カイミジンコは、小さいので、小さな透明容器に入れて見るとよい。

 この生きものたちは、甲殻類の仲間だ。何億年も前の古生代や中生代に現れ、ほとんど形が変わっていない。あなたの近くには、小さな甲殻類たちは棲んでいるでしょうか?


やまね・かつえ/地学担当


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