活動報告

 ドキドキ! わくわく!エクスプロラトリアム 研修レポート
学芸課科学技術研究科 学芸員 進 悦子

サンフランシスコのシンボル
▲サンフランシスコのシンボル
ゴールデンゲートブリッジ
 1月7日、ゴールデンゲートブリッジにうっすらと霧がかかって寒々しいこの日、3週間の研修を受けるためサンフランシスコにある「エクスプロラトリアム」をひとり訪れました。







 エクスプロラトリアムは、物理学者フランク・オッペンハイマーが1969年に創設した世界で最初の体験型サイエンスミュージアム。「見て聞いて触って体験できる実験をとおして世界と人間がつながっていることを実感してほしい」という思想に感銘し、いつかここを訪れて勉強したいと思っていました。その夢がかなったのです!喜びと不安が入り交じりながら、私の研修の日々が始まりました。 エントランスもたのしそう!
▲エントランスもたのしそう!

 倉庫を改造して作られたというエクスプロラトリアムの中は、本当に大きくて広い。フロアにはあちこちにたくさんの展示物が並び、子ども達が夢中になって自由に遊んでいます。展示物はどれもベーシックサイエンスを学べるもので、シンプルで素朴な作り。実は、展示フロアのすぐ横には「マシンショップ」という工房があり、ここで作られた展示物がフロアに並ぶのです!さらにすごいのは、ビジターの反応を見ながら展示に改良を加え、少しずつ完成に近づけていく方法をとっていること。5年経ってもまだ改良中の展示、10年でやっと完成した展示もあります。ビジターをとっても大切にしていることを感じました。ちなみに30年以上前にオッペンハイマーが作った実験装置もちゃんと現役で展示されております。
フロアの様子
▲フロアにはたくさんの展示と
子ども達の声
磁力線観察器
▲磁力線観察器
砂鉄まみれになっても平気で遊んでます







 私も実際に一つの展示物にビジターがどのように接触しているか1時間ほど観察することをはじめました。気がついたこと感じたことなど何でも書き留めていき、それをみんなでディスカッションして改良点を見つけていきます。私のアイデアが採用されて、木を切ってサンダーにかけて、面取りして、ペイントして、展示づくりも行いました。どれがどの方法がいいのかなんて、やってみなければわからない。Try, again and again なのだそうです。工房の中のあちこちに新規製作中、改良中の展示が無造作に置かれ、工房スタッフが展示について喧嘩のように議論しています。みんな真剣なのですね。
私もがんばっていますよ?
▲私もがんばっていますよ?
写真
▲マシンショップ
スタッフが議論しています

 仕事の後は、ときどきスタッフがレストランに連れていってくれました。アメリカでも寿司は大人気。マグロ、ハマチ、カリフォルニアロールなど、アメリカで寿司がこんなにおいしく食べられるとは思いませんでした。 おいしかったお寿司
▲おいしかった寿司!







マシンショップの女性スタッフ
▲マシンショップの
女性スタッフと一緒にパチッ!
 楽しくも慌ただしい3週間の研修はあっという間に過ぎ、最終日は展示完成記念とおつかれさまの気持ちを込めて、スタッフがシャンパンで祝ってくれました。うれしくて涙があふれました。こんな素敵な出会い,体験ができてなんて幸せなのだろう。とても短い期間でしたが、スタッフと一緒に汗を流すことで、展示づくりへの情熱、オッペンハイマーの思い、子ども達の喜ぶ声を感じることができました。

 この研修で体験して得たことが、これからの博物館での仕事に、これからの人生に、すべてに活かしていけるようにがんばります。


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