研究ノート

 アサギマダラの新しい移動ルートが確認されました
学芸課自然研究科 主任学芸員 大西 剛

 博物館では、季節的な移動をすることで知られるアサギマダラという蝶の調査協力を広く呼びかけています。

  去る2005年10月2日に、富山県滑川市の渡辺貢氏から「会社の建物の一室にアサギマダラが落ちていた」とのメールをいただきました。発見した時はすでに死んでいましたが、はねに字が書いてあるので不思議に思い、インターネットで検索してみたところ、当館のホームページを見てアサギマダラのマーキング調査と分かり連絡していただきました。

  はねには「8/5 デコ SRS2822」と標識されており、SRS という記号から調査に参加されている東京在住の栗田昌裕氏がマークした個体だということが分かりました。そこで栗田氏に問い合わせたところ、このアサギマダラは8月5日に福島県那麻郡北塩原村のグランデコスキー場でマークされ、直線距離約267キロを76日間で移動したことが判明しました。栗田氏は毎年福島県で多くのアサギマダラにマーキングしていますが、富山県に移動した個体は初めてということで、大変驚かれていました。
アサギマダラ


渡りの記録
 
  博物館では今後も情報を求めていますので、もしはねに字が書いてあるアサギマダラを見かけたら、携帯でも構いませんので写真を撮ってt-ohnishi@sci-museum.niihama.ehime.jpまでご一報ください。


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