RENEWAL 科学技術館 |
学芸課科学技術研究科 主任学芸員 久松 洋二 |
科学技術館に、新しい展示が登場しました。 |
常設展示、科学技術館に新しい展示物が増えました。 夏の特別展示で人気を博した体験装置が常設展示となって帰ってきました。この秋に更新した展示物は12点。全て体験展示です。常設展示3階科学技術館、素のゾーンに6点、生のゾーンに2点、伝のゾーンに1点、動のゾーンの幼児コーナーに3 点増えました。しばらく前に大型の展示装置が撤去され、科学技術館は少しガラーンとした印象になっていましたが、実は展示更新のための準備だったのです。更新された展示物は、どの装置も、みなさんが見て、考えて、自分で科学法則を試すことができるものです。ぜひ納得するまで実験してみてください。 |
それでは更新された展示物をいくつか紹介してみましょう。まず、でこぼこした白く長いコースが印象的な装置、「落ちないボール」です。付属のビー玉をこのコースに転がり落とすと、でこぼこに沿ってビー玉が進みます。ビー玉の動きはゆらゆらと不安定で、いまにもコースから落ちそうなのですが、実はゴールまで落ちずに進みます。見た目と違ってとても安定した運動なのです。どれくらいのスローボールでもゴールするか試してください。カラフルなパイプが並んだ装置は「パイプで楽器」といいます。パイプは持ち上げて落としても、抜き出して叩いてもオッケーです。パイプの長さに応じた音階が聞こえます。机で叩いても、自分の体を叩いても音がします。パイプには、そこを叩けばいい音が鳴るスポットがあります。うまく見つけていい音を鳴らしましょう。何人かで協力すれば1曲演奏もできますよ。透明な箱の装置は「マグネカタパルト」です。 |
蓄えた電気をコイルへ一気に流すことで一瞬だけ強い電磁石を作ります。その電磁石で小さな鉄球を吸い付けて飛ばす装置です。箱の中にいくつかの的を作ってあります。蓄える電気の量を変えることで的をねらいます。電気メーターをよく見てためましょう。ほんのちょっと電気量が変わるだけで、よく飛んだり全く飛ばなかったり。電気エネルギーの性質を見ることも出来ますよ。試作中に博物館の職員もかなりムキになってねらってました。 |
さて、今回更新された展示物、実は博物館の中で作られた装置だって聞いたら驚きますか?科学技術研究科では、1 点でも多く新しい展示装置をみなさんに体験してもらえるように、展示装置の自作を始めています。博物館の展示作業場で日々コツコツと製作されています。出来は少し悪いですが、壊れたり調子が悪かったときでも、すぐに対応できます。装置の見栄えの悪さに気付いた時、ちょっと学芸員のことを思い出してもらえると嬉しいです。 科学技術館ではこれからも常設展示を更新していきます。実際に研究に使われていた貴重な装置や楽しく科学を学ぶ体験装置など、今年度はまだまだ展示物が増える予定です。お楽しみに。 |
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