博物館だより

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博物館だより

2008年夏号
話題提供
「ウツギ」のはなし
自然研究科 主任学芸員 川又明徳

 植物の名前を覚え始めた頃、だれしも一度は迷路に入るのが「ウツギ」の仲間です。名前にウツギと名の付く植物は、ユキノシタ科、スイカズラ科、フジウツギ科、ミツバウツギ科、バラ科など、数グループに分かれます。しかも、同じような場所、開花時期も重なるのでややこしいですね。

 では、どうしてこんなにも多くの種類にウツギと名前が付けられるようになったのでしょか。漢字では「空木」と書きます。多くの種類で、枝の中がストローのように空洞になっています。また、旧暦の4月のことを卯月(うずき)と言いますが、新暦でいうと6月のこの頃に花を咲かせるので、卯月がなまってウツギと呼ばれるようになったとも言われています。そして、葉が対生(一対ずつつける)となっています。もちろん例外もありますが、ウツギと名の付く種類には、このような共通の特徴があります。

 ウツギの仲間は、植物の分類学を進めていく上で特につまずきやすい所です。初心者の方は一度、ノートにまとめるなどして、頭の中を整理してみましょう。

ユキノシタ科ウツギ
ユキノシタ科ウツギ
スイカズラ科ヤブウツギ
スイカズラ科ヤブウツギ

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