瓶に少しだけ残ったナンプラーを冷蔵庫に置いていた。賞味期限は「2005年4月」。10年程前、使い切れなかったナンプラーを処分する時に、4mmくらいの透明な立方体が出てきた事があった。それは塩の結晶で、きれいだったので、またできるだろうかと思い、少し残ったものを寝かせておいたのだ。瓶を振ると「カラコロ」と結晶ができているようなので、取り出してみると、「あれ…八面体?」。塩の結晶は、通常立方体のはず。調べてみると「まれに八面体」とあった。開封してから約4年、ゆっくりと水分が蒸発し、5〜7mmの結晶に成長していた。
天然に産し、塩と同じ化学組成(NaCl)、原子配列を持つのは、「岩塩(がんえん)」という鉱物だ。スーパーマーケットの塩コーナーで、ヨーロッパ産や南米産などの岩塩を目にする。岩塩は、地質時代に海水の蒸発によってできたもので、10cm程度の大型結晶も産出する。これは、海水が干上がり形成された岩塩層が、後に、地殻変動で地下深くに埋まり、長い年月をかけてゆっくりと大きくなったものだ。